'23年に細菌性髄膜炎により急逝されたバーニー・マースデン(G)が、WHITESNAKE脱退後に結成したバンドALASKA(ちなみにバンド名は、旅の途中でアラスカ空港に立ち寄った際、そこで目にした真っ白な景色と抜けるような青空の美しさに感銘を受けたことにちなむ模様)。本作は彼らが'85年に発表した2ndアルバムにして、残念ながらの最終作。 ツアー途中にKey奏者のリチャード・ベイリーが抜け、正式な後任は迎えず4人編成のままでレコーディングされたことも影響しているのか(Keyは助っ人参加のドン・エイリーが担当)、これまで主役級の目立ち方をしていたシンセが脇へと下がった代わりに、楽曲内におけるバーニーのGが存在感を増し、また前作では抑え気味だった彼の持ち味たるブルージーなエッセンスも随所で匂い立つ仕上がりとなっています。 とはいえ、基本的にはデビュー作で披露したキャッチーでメロディアスなハードポップ路線が順当に継承されており、爽やかなメロディと華美なハーモニーを纏ってアルバムのOPを軽快に飾る①、“あなたのいない夜”なる邦題を冠してシングル・カットもされたメロウなAORナンバー⑦辺りにはやはり胸躍りますし、何よりアルバムの締め括り役を担う⑨は、ブリティッシュな愁いを帯びた曲調が明るくポップなノリが大勢を占める本編中にあって異彩を放つ、個人的に一押しの逸品ですよ。(国内盤初CD化に際してボーナス・トラックとして追加収録された⑪も「これ本編に入れて下さいよぉ」と駄々こねたくなる名曲っぷり) クオリティでは1st『HEART OF THE STORM』に引けを取らぬ名盤。ALASKA自体は短命に終わってしまいましたが、彼らが残したカタログは良作ばかりですね。
同じ1989年ですがROXETTEのとは同名異曲でこちらは米映画"The Karate Kid Part III (ベスト・キッド 3)"のエンディングテーマ。日米欧のみシングルもリリースされましたが全くヒットしなかったため音楽ファンには"The Moment of Truth"や"Glory of Love"ほど知られていません、多分。という訳で師匠・ミスター宮城の数々の教えを思い出しながらこの曲に浸ることに致しましょう。