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JOE STUMPS TOWER OF BABEL
失恋船長 ★★ (2025-09-12 11:10:35)
現在はAlcatrazzのギタリストとして卓越したプレイを披露するジョー・スタンプ。イングヴェイは勿論だがヴァイ時代も網羅、あの華麗なるタッピングを軽々と弾きこなす姿は実に頼もしい。
ミュージシャンとしての成功よりも師事する側としても有名なジョー。バークリー音楽大学で教鞭を振るうジョー、それだけにいつギタリストとして成功を収めるのか?そこに常に興味をもっていました。
グラハム・ボネットと作ったBorn Innocentはゲスト参加も多く、ある意味では悪夢のようなサポートワークだったろう。グラハムもベースを弾きパートナーにぞっこんで、予定通りバンドを抜けました。短命に終わるかに見えたAlcatrazzとドゥギー・ホワイトと乗り切った事には驚きました。
まぁ、予定通りメディア信者のアンチ急増に辟易しましたが、これぞネオクラ時代にフォーカスしたAlcatrazzで完全復活。その立役者の一人がジョーでしょう。

このプロジェクト、Tower of Babelというバンド名で過去に活動、アルバムもリリース。レーベルはラース・エリック・マッツソンが運営するLion Music。あれから8年の月日が流れ、イングヴェイばりにややこやしいバンド名で復活。あれとは別もんだということなのですが、参加メンバーはTower of Babelからのメンバーが大半というややこやしさ、もう突き詰めるのはやめようと思いました。

イタリア人、フランス人、英国人多国籍軍によるバンド形態は、ジョーのネオクラギターをフィーチャーしたオーソドックスはサウンドを披露。馴染みのないマニアには良作だろうが、個人的にはで引用の具合と言いますか、パクリ具合が少々お転婆のヤンチャすぎるのが難点。この手のサウンドをよく聞いているので、気にならないといえば嘘になるのだが、ネオクラ一辺倒にとどまらない意欲溢れるプレイ、名手が揃い適切なプレイでサポートと皆が一体となり、クラシカルな古典ロックを再構築した。

今作を知り、このRAINBOW、リッチーブラックモア、そしイングヴェイ・マルムスティーンなどを本気で知る機会を若い人にもって欲しいねぇ。古典の素晴らしさ、その一点において今作には意味合いを見いだせるが、潔癖な人からは敬遠されるだろう。ジョー・スタンプが長年に渡り燻っているのは、こういう点にあるのだろう。しかし、あのエネルギッシュなギタープレイは実に魅力的だ。Alcatrazzが現在も活動できるのはジミー・ウォルドーの注力だけではない。ジョーの存在は不可欠だった。今作を聴き改めてそう思いましたね。

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