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D.F.R. (1987年)
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D.F.R.
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解説 - D.F.R.
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コメント・評価

Recent 50 Comments



1. 火薬バカ一代 ★★ (2020-01-28 00:54:58)

フランスの港湾都市ナント出身の4人組、SQUEALERが’87年に発表した1stアルバム(なおタイトルは『DRINKING, FUCKING, ROCKING』の略なのだとか)。
自主制作盤にも関わらず瞬く間に数千枚を売り上げ、テレビ出演やフランス政府文化大臣との対談等、バンドの知名度向上とその後のサクセスに大きく貢献したという本作に託されているのは、JUDAS PRIEST、ACCEPT辺りからの影響を伺わせるストレートな正統派HMサウンド。そこにLAメタルをお手本にした思しき、ラフなノリの良さやハジけるコーラス・ワークといったアメリカンな要素もブッ込んで来ています。ちなみにフランスのバンドには珍しく歌詞は全て英詞。
篭り気味な上に薄っぺらい、お粗末極まりないプロダクションが折角の楽曲の魅力を大幅にスポイルしてくれてやがっていますが、何よりも音程に無頓着にわめき立てるパスカル・ベイリー(この人、後期EXCESSの作品でも歌っていましたっけ)の悪声Voを、欠点と貶すか個性的と前向きに捉えるかで本作の評価は大きく分かれるものと思われます。
このクセの強いヒステリックな声質のVoが受容できれば、収録楽曲のカッコ良さはなかなかなのモノですし、サウンドに華やかなアクセントを加えてくれるローラン・ラシャターのGプレイも聴き応え十分。特に“禁じられた遊び”のメロディを織り込んだGソロが繰り出される重厚なミッド・チューン②、泣きのイントロから力強く盛り上がっていく③、一気呵成に走り抜けるスピード・ナンバー⑤辺りは耳を捉える出来栄え。
全体としてチープな印象は免れ得ないものの、垢抜けた2ndよりも個人的には本作の方が好きだなぁ。




2. 失恋船長 ★★★ (2025-06-15 01:22:11)

一部の批評家のせいで、英米以外の国はロック後進国を見なされ格下扱いを受けていました。それは日本も同じでBURRN!誌における、日本のバンドは今後一切掲載しないという姿勢など、正に、その代表的な事例だろう。
ドイツのロックは英米のジャーナリスト達から、クラウトロックをバカにされた時代がある。やがて、そのクラウトロックは好意的に意味合いで使われる時代が来るのだが、おそらくは、そういう姿勢を真似たのが一部の批評家なんだろう。かつての日本人あるある。ハリウッド映画最高、全米が泣いた、○○第一位とかね。そういう文言に踊らされる人たちが沢山いましたが、ことメタルの世界では一番遠い位置にある感覚だと子供の頃は思っていましたが、実は一番、その権威と○○第一位に引っ張られるのが日本のメタルシーンであった。とは言え、ごく一部の話なのだが、コアなファンはもっと突き詰めるし雑誌の評価で自分の耳を疑う事も無いだろう。心に響いているかが重要。点数も売り上げも人気も関係無し。

関連性のないバンドを高評価のみで追いかける人生ほど虚しいモノはない。このバンドはフランス出身。もうこれだけで格下扱いだが、実はこのバンドはワールドワイドな感性をもって世界に打って出ている。
ACCEPT風味満載の男臭いコーラスワーク。屈強なリズムパートが出る場面、そしてクラシカルフレーバーをたっぷりとまぶしたリードギターのウルフ・ホフマンぶり、それだけでは終らない、世界を席巻するL.Aメタルなエッセンスも大胆に取り込み、エレガントなフレンチスタイルだけではない華やかさを持ち込んでいる。

この相反するエッセンスを実に上手く両立させている。この個性的なダミ声も、このサウンドにベストマッチ。ACCEPTを初めて聴いたとき、もっと普通の声でイイじゃないかと子供の頃は思ったが、もう少し大人になると、あの声あってこそと思う、あの感覚と同じである。

全8曲、32分というランニングタイムの清々しさ。グロウルOKな時代なんでしょう、ならば聴きやすい作風の今作は、80年代型メタルの美味しい部分もしっかりと詰め込んでいます。ノリや勢いでやっていない構築されたサウンド。奥行きのない音質のせいで、ダイナミズムが足りないのだが、気軽な気分で楽しめますね。

メタル初心者に丁度良いかもしれない。マイナー調のメロディとクセの強い歌い手、どこか親しみやすいロックなリズム。扇情的なソロを奏でるギターと、メタル愛に溢れている。金の掛ったメジャー作品は、全米が泣いたと同じなので、こういうマイナー系から耐性をつけて欲しいと思いますね。この歳になると金の掛った作品がチョイとハズい気分になる。



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