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A Crystal Vision / SACRED OATH (失恋船長)
Tick Tock / Transition / ART NATION (火薬バカ一代)
Live in Tokyo 1985 / YNGWIE MALMSTEEN (失恋船長)
Transition / ART NATION (火薬バカ一代)


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ヘヴィメタル/ハードロック - 最近の発言
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A Crystal Vision / SACRED OATH

伝説のカルトメタルバンドの記念すべき1st。アメリカ産ではあるが、欧州風味満載のメロディ、そしてメイデンから薫陶を受けた音楽性。そしてシンガーのシアトリカルな歌声とダークな魔術的な響きは完全にMercyful Fateだろう。そのドラマティックな展開と、王道を行くヘヴィメタルサウンド、アメリカでは完全にマイナーなスタイルだが、彼等は自らの信じる道を真っ当に歩き、前人未踏の未開の地へと向かっている。

濃厚なアングラ臭はMANILLA ROADやCIRITH UNGOLといったバンドを真っ先に思い浮かべるでしょう。このバンドツインギターは上手く機能。音質は良くないが、それが逆に生々しいサウンドに変換、低予算をモノともしない青白い炎を滾らせている。

純度の高いメタルサウンドは、ヘヴィメタルを愛するモノにとっては最も相性の悪い、売り上げ&ランキング至上主義者とは一線を画す崇高な世界観を踏襲と実に頼もしいスタンスで1988年というメタルバブル全盛の時代に、彼等は逆張りで勝負を挑んだ。

リリース当時は知らんかったが、マニア筋からの強烈なプッシュがあり、出会えたホンモノのカルトメタルバンド。NWOBHMからの流れを受け継ぐ伝統的なスタイルに魅了されました。あの歌声も、この世界観にフィット。まぁ耐性のない方には耳障りでしょう。回転するリフワーク、分離の悪いチープさも気になるでしょう。ましてはAmazonからオススメされるメジャーどころの作品に慣れ親しんでいる方には、とてもではないが勧められないが、ヒットチャートとは無縁なヘヴィメタルの世界にハマっているマニアならば必ずや、刺さる場面があるでしょう。

これだからヘヴィメタルはやめられない。Bandcampで見つけた時に喜び、初見で聴いた時につくづく思いましたね。

もっと上手い唄の方がイイし、もっと音質に深みがあれば更に説得力も増しただろう、しかし、このカルト臭は、その環境では出ない。日本のインディーズが抱える欠点にもにた、バックはイイがフロントがペケみたいな空気も個人的には懐かしい。そして惹かれるクサレマニアポイントである。
上手い下手では言い表せないバンドとしての音。その一体感が最大の魅力。忘れ去られた元祖アメリカンメタルのマインドを復活させた、その偉業に賛辞を送りたい。売れないよ。しかし、素晴らしい。

内野聖陽演じる宇佐美主任教官のように、アッパレだ。といいたいですね。内野聖陽さんも飲酒運転疑惑&不倫がなければ、名作ドラマ臨場、今でも続いていたと思うんだよなぁ。

このバンドの、シケシケのマイナーメタルにならなかったのは、演奏レベルがしっかりしていること。そして曲の構成も練り上げられている。ポッと出の新人でない自肩の強さを感じさせる存在感があったからこそである。

失恋船長 ★★★ (2025-06-14 05:29:29)


Tick Tock / Transition / ART NATION
上手いVoに、上手いG、透明感を湛えたメロディと
モダンなアレンジが絶妙にブレンドされた
個人的にアルバムで一押しの名曲。

火薬バカ一代 ★★★ (2025-06-13 07:39:23)


Live in Tokyo 1985 / YNGWIE MALMSTEEN

メーカーによると今回アメリカのPBSでの放送時のオーディオ・テープを使用してのリリースであり、となっているがわざとらしい歓声、そしてトーキョーという言葉がジェフからも発せられる。ワタクシの耳には、あのRising Force: Live In Japan '85となり、2006年に再度リリースされたDVDからの音源にしか聞こえないのだが、インチキくせなぁ。Amazonを始め、通販サイトなどでも、このインフォメーションを採用しているのだが、どうなのかなぁ。

この時代、イングヴェイの人気は凄いモノでした。いくら一部の批評家がテクニックのひけらかし、感情のないプレイとぬかそうが、そうは問屋が卸さないと死語を使いたくなるほど、世の中は新時代のギターヒーローに夢中。ごく一部のドアホウを除いては、とんでもないヤツが現れたと狂喜乱舞しました。そんな人気沸騰中のイングヴェイ。わざとらしい歓声を抜きにしても、聴き手を引き込む興奮の坩堝を化す超絶プレイを披露。

ヨハンソン兄弟、マルセル・ヤコブ。そしてジェフ・スコット・ソートと最強のラインナップが揃い、俺様ギターを適度に聴かせてくれる。最近のイングヴェイは聞く耳を持たない、注意する人間がいないの裸の王様状態なので、凄い事は凄いのだが、As Above, So BelowやOn The Run Againみたいな曲はもうやらないし、やれない。
前者は北欧メタル、後者はキャッチーさもまぶしたシングルカット向けの一曲と、タイプは異なるがイングヴェイの凄さを端的に物語っている。
インストナンバーの凄さは言うに及ばずだが、延々と繰り返される時間になれたので、この時代は割とコンパクトだなぁと感じ、もう少し欲しいと思う、イングヴェイ、ドM体質に飼い慣らされてしまっている事に気がついた。

音質の良し悪しに関係なく、やっぱり曲だよな。それとバンドとしての一体感。火花散るってのがないとね。イングヴェイとその下部たちじゃあねぇ。でも最新作TOKYO LIVEも当然チェックしたい。無料だしね。なにより、久しぶりの東京音源。ただ30曲2枚組を聴き通せる体力&忍耐力があるか、それとも、そんな事は杞憂だとぶっ飛ばしてくれるのか興味津々ですね。

今作の視聴は余興です。最近聴いていなかったイングヴェイの再確認です。

失恋船長 ★★★ (2025-06-12 03:47:12)


Transition / ART NATION

デビュー早々に高評価を獲得して来日公演も決定させる等、新人バンドとしては順風満帆のスタートダッシュを決めてみせたスウェーデンのART NATIONでしたが、好事魔多し。折からのパンデミックやバンド内の人間関係の悪化でメンバーの離脱が相次ぎ、結果来日公演はキャンセルせざるを得なくなり…と、一転して窮地へ追いやられてしまった彼らが'21年に発表した3rdアルバム。
そんな混乱した状況の影響があったのかどうか、シンセのフィーチュア度が各段に高まり、ダンサンブルなリズム・ワークやデジタリックなアレンジが頻出する本作は、後にリーダーのアレクサンダー・ストランデル(Vo)が「ART NATIONの作品とは思えなかった」と発言していることからもお察しの通り、前2作とは若干趣きの異する仕上がりとなっているわけですが、いやでも、これはこれで全然イケてますって!と個人的には思う次第。
多少モダンなテイストが増量されようが、憂いを湛えた声質を生かしたアレクサンダーの絶品の歌唱力と、彼がクリエイトするフックに富む哀メロの魅力は全く薄まることなく健在。ゴージャスにアルバムのOPを盛り上げる①、口ずさみたくなるキャッチーなコーラス・ワークに胸躍る②、重厚な曲調にアレクサンダーの熱唱が冴え渡る③という冒頭3発だけでアルバムに対する期待値は跳ね上がりますし、実際、高揚感に満ちた疾走ナンバー⑧を経て、初期作に通じる味わいも宿した感動的なバラード⑪にて幕が下りるまで、本編はその信頼を片時も裏切ることなく、ハイクオリティを維持したまま最後まで突っ走ってくれます。
バンドの実力が本物であることを証明する力作だっただけに、この時期の躓きが災いして日本では人気を確立しきれなかったことが悔やまれますね。

火薬バカ一代 ★★★ (2025-06-11 22:13:54)